金型設計技術資料
(樹脂金型設計・成形金型設計の問題点と対策方法)
<主な成形不良とその原因>
不良現象:針穴跡(ピンホール)、気泡
表面に針で突いたような小穴が出来るものを針穴跡と言う。
水分又はエアーが成形品の中で集まったものを気泡と言う。
不良が起こる原因 | 対 策 | |
成形機によるもの | (1)成形機射出速度が速すぎる、又は遅すぎる。 (2)射出圧力が低い。 (3)射出保持圧の不足。 (4)射出保持時間の不足。 (5)成形機スクリューの空気巻き込み。 (6)成形機シリンダー容量の不十分。 |
(1)射出速度を適正にする。 (2)射出圧力を高くする。 (3)射出保持圧を上げる。 (4)射出保持時間を長くする。 (5)成形機スクリューの調整。 (6)スクリュー容量が大きいものに交換。 |
金型によるもの (金型設計) |
(1)金型の排気不良。 (2)金型温度が低い。 (3)金型ゲート位置の不適当。 (4)金型ゲート、ランナー、スプルーの過小。 (5)金型の肉厚部や急激な肉厚の変化による。 (6)金型冷却時間が長すぎる。 |
(1)金型エアベント設計の見直し。 (2)金型冷却温度を上げる。金型冷却設計の見直し。 (3)金型ゲート設計、位置の見直し。 (4)金型ゲート、ランナー、スプルー設計の見直し。 (5)肉厚を出来る限り均一にする。 (6)金型冷却時間の調整。 |
材料によるもの | (1)成形材料中の水分や発揮物による。 (2)ペレット形状の材料により空気が混入する。 (3)成形材料乾燥の不十分。 (4)材料温度が低いためによる流動性不足。 (5)材料温度が高いためによるガス発生。 (6)材料の変質。 (7)成形材料の収縮率が大きい。 |
(1)水分や発揮物の除去。 (2)ペレット形状の材料使用を控える。 (3)十分に乾燥させる。 (4)材料温度の調整。 (5)材料温度の調整。 (6)古い材料の不使用。 (7)収縮率の小さい材料に変更。 |
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