YKDesign/YKデザイン
代表者 柳田 和則
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≪金型用語集と金型設計の解説≫
<金型とは>・・・工業製品の金属製や樹脂製の部品を製造するための、金属製の型を金型と言います。
溶解した樹脂を流し込むタイプの金型を一般に成形金型と呼びます。
プラスティック製品のほどんどが成形金型で製造されています。
一般に金型は商品設計図面を基に、金型設計者が収縮率・変形などを盛込み設計をします。
<収縮率>・・・金型の中に高温で溶けた樹脂を流し込み、樹脂が冷えて製品となりますが、
この時、樹脂は若干ちぢまって小さくなります。この小さくなる率を予め予想して金型を大きく製作します。
樹脂が冷えて小さくなる率を収縮率と言います。
この収縮率は樹脂材料により異なります。
収縮率は樹脂材料メーカーより公開されていますが、
材料の肉厚や、製品の形状、ゲート方式により変わってきます。
過去の製品と金型データから割り出した収縮率データが金型設計では最も信頼できる
収縮率となります。
又、流動解析で解析して収縮率や変形具合を割り出す方法も
最近の金型設計の主流となりつつあります。
金型設計技術資料・成形収縮率一覧をご覧下さい。
<ゲート>・・・ゲートとは金型の中に材料を入れる、入口の事を言います。
金型設計では製品の用途に応じて、お客様と打合せし決定します。
<主なゲートの種類>
ダイレクトゲート、サイドゲート、トンネルゲート、ピンポイントゲート、アーチゲート
ホットランナーゲート
<代表的な金型ゲートの解説>
サイドゲート・・・最もスタンダードなゲート
ゲートでの圧力損失も少なく金型構造も簡単で、金型費用も削減できます。
但し、ゲート部は製品に繋がっているため、切断工程などの後処理が必要となります。
トンネルゲート・・・金型内で型開きによりゲートを切断する。
金型構造も比較的簡単ですが、ゲート部位置が限定され、ゲート部の圧力損失も多い。
又、ゲート部付近の製品メクレなどの問題が生じる。
ピンポイントゲート・・・樹脂充填バランスが最も良いゲート。
ゲート位置、ゲート個数等は自由に設定できる。
又、製品充填問題時にゲートを比較的容易に増やしたり、無くしたりが可能。
但し、金型のプレート構造を3プレートにする必要があり、金型費用が多くなる。
材料ロスに関しては、第二スプルーが有るので、他ゲートより材料ロスが多くなる。
<ランナー>・・・ランナーとは金型で樹脂製品を製作するのに、樹脂用プレス機を使用しますが、
プレス樹脂出口から金型製品部までの材料を流すための溝形状を言います。
ランナーには以下の種類が有ります。
半円ランナー、丸ランナー、台形ランナー、
<エジェクターピン>・・・エジェクターピンとは金型に貼り付いた製品をとるために、金型の中に動くピンを言います。
エジェクターピンは丸形状や四角形状が有ります。
<スライドーコアー>・・・・通常金型は、キャビティとコアーからなりますが、
製品上どうしてもキャビティとコアー以外に横からの凹形状が必要な場合があります。
この横からの形状を別部品により動かして製作します。
この部品をスライドコアーと呼びます。
通常スライドコアーはアンギュラピンと呼ばれるピンを斜めに設置し、型開きでスライドコアーを
動かす方式をとります。アンギュラピン以外にカム機構、エアーシリンダー駆動、モータ駆動、
油圧シリンダー駆動等が有ります。
<一般的なスライドコアーの解説>
《外スライドコアー》
アンギュラピンが型開きにより上方向に動くことによりスライドコアーが左に動きます。
この方式が最も一般的な外スライド方式です。
《内スライドコアー》
アンギュラピンが型開きにより上方向に動くことによりスライドコアーが右に動きます。
外スライドに比べると、金型構造が複雑になり、金型強度も低下します。
金型設計的には出来る限り内スライド方式は行わないようにします。
<傾斜ピン>・・・・傾斜ピンはスライドコアーと同様キャビティとコアーだけで抜けない形状を、傾斜ピン構造にする場合が
有ります。通常傾斜ピンはエジェクタープレートまで連結して使用します。
前項に説明した内スライドより、比較的簡単に内側もアンダーカット処理が可能です。
傾斜ピンをエジェクタープレートまで連結し、斜めに動かし、アンダーカットを処理します。
傾斜ピンは金型コアー内を斜めに動きますので、金型のカジリ・破損のリスクが生じます。
<エアベント>・・・エアベントとは金型内に流れ込む樹脂材料から発生するガス・空気などを、
金型の外に出す小さな溝の事を言います。
通常エアベントは0.005mm〜0.02mmと樹脂材料により溝の深さが異なります。
製品のガス焼け、カスレ等を防ぐために、製品部は勿論、ランナー等にもエアベントを施すと効果的です。
<抜き勾配>・・・抜き勾配とは金型から成形品を取出しやすくするために、金型につける勾配のことを言います。
通常、抜き勾配は0.5°〜2°程度付けます。
金型抜き勾配量において、一般的には製品図公差内の範囲で行いますが、
公差外になる場合は商品設計者に確認を行う必要が有ります。
又、金型抜き勾配は製品で肉が無くなる方向(製品で干渉しない方向)で付けます。
<パーティングライン>・・・パーティングラインは通常、金型は固定側と可動側の2種類に分割します。
この時の金型の分割ラインをパーティングライン言います
三次元CADで金型設計をする際には、このパーティングラインを、
CAD上で作図し、固定側と可動側の金型パーツに分割します。
<スプルブッシュ>・・・成形機ノズルと金型とを結合させる部品をスプルブッシュと言います。
通常成形機ノズルRはR10で金型側のスプルブッシュをR11で製作します。
又射出抵抗ロスを無くすため、ノズル径はプレスノズル径より+0.5mm大きくしなす。
<ロケートリング>・・・成形機と金型との位置決め用で、金型側に凸形状のリングを取り付けます。
このリング形状の金型部品をロケートリングと呼びます。
通常、成形機のロケートリング穴はφ100mm〜φ150mmが多く使われます。
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